マルチタスクができるのは特殊な能力なのか?
以前書きましたが、母と姑と私の3人で沖縄旅行に行ってきました。
その時に気づいたんですが、昔はなんでもてテキパキやっていた母が、同時にいろんなことができなくなっているのです。
男性が比較的シングルタスクしかできない人が多いのと違い、女性というのは子育てができるようになっているので、誰でもマルチタスクができるらしい。
子育て中、一度にひとつのことだけしかしないなんて絶対に不可能ですよね。
子供が泣いたら火にかけている鍋を忘れてしまう、なんて危険過ぎる。
母は普通の人よりテキパキした人で、私の記憶にある母は同時にいろんなことを素早くこなしていました。
が、70歳を過ぎた今、ひとつのことをやるとそれのみ。
その時に違うことを話しかけると手が止まってしまう。
何かやっている時に他のことが入ってくると、最初にやっていたことを忘れてしまう。
クロワッサン黒焦げ事件
沖縄のホテルで朝食を食べた時のこと。
朝食レストランで待ち合わせた時間に姑が降りてきませんでした。
すぐに降りてくるだろうと、私と母はビュッフェ形式の料理をトレイに取り始めていたのですが、
しばらく経っても降りてこないので、母に「◯子さんに電話して」と頼みました(私の携帯は外国のもののためできない)
すると母はレストランから少し出たところに行き、携帯で姑に電話しました。
そして寝坊してた(笑)姑と話し、レストランに戻ってくると・・・
トースターに入れていたクロワッサンが真っ黒焦げ(笑)
パンを焼いていたらしいのですが、私が電話を頼んだことで、パンのことはすっかり忘れてしまったようなのです。
マルチタスクができるのは普通じゃない
母の場合は昔出来ていたけど歳でできなくなった、という状態ですが、
日本から出てみると、「人類の多くはマルチタスクができない」という事実に気づきます。
ホテルや店なんかで何かを頼んだり質問したりする際、一度に一つにしないと相手はもう何が何だかわからなくなって、結局何も進まないという経験はもう星の数ほどしています。
なので、いくつか聞きたいことや調べてほしいこと、お願いしたいことなどがある場合、まず最初の一つを言います。
相手がすぐに答えられる場合ならいいのですが、誰かに聞きに行ったり調べたりする必要がある場合、
どうせならこれとこれも聞いておこう、そうすればこの人が聞きに行く二度手間がなくなるから・・・と思うのですが、
そこで二つ目の質問をしてしまうと、その人はもう最初の質問が何だったか忘れてしまう。
結局最初からすべてやり直し、ということになることがほとんどです。
つまりよけいに時間がかかる。
「AとBとCの値段が知りたい」というように、3つのものでも質問内容が同じテーマならいいのですが、
「Aの値段はいくらか」「Bは今在庫がないようだけど手に入るのはいつごろか」「前に買ったCを返品するか他の色に交換したいのだけど」
などというように違うテーマになるとお手上げ。
なので「一度に聞けば早いのに・・・」と思っても、質問・要求は一度にひとつが鉄則。
資本主義の先進国だとまだましですが、途上国と言われる国では私の経験上まずダメ。
これは年寄りだけでなく若い人でも同じなので、「一度に一つ」というのが当たり前なのでしょう。
日本のサービス業は世界トップレベル
日本のホワイトカラーの生産性は先進国の中ではダントツ低くて、アメリカの70%しかないと以前本田直之さんの本で読んだことがありますが、確かにそうだなぁと思います。
日本のサラリーマンはアメリカのオフィスワークのサラリーマンと比べると、はっきり言ってしまうと「仕事ができない」。
が、日本のサービス業のレベルは本当に高い。
間違いなく世界トップレベルだと思います。
一度にいろんなことができて、それをやるのもとても素早くて、なおかつお客さんが求めていることを「察する」ことができる。
日本に帰る度サービス業のレベルに感動しております。
日本の人はあれを普通と思っちゃダメですから!
・・・なんかテーマがずれちゃった。